top of page
  • 朝野裕一

身体性について〜その三

いつも放送されると必ず観ているお気に入り番組の一つ

先日はパラ水泳のコーチ特集でした。特に視覚障がいを持つ方に対する

コーチングです。

視覚障がいと言っても様々な程度があるので、パラリンピックなどでは

主に3クラスに分けられて競技が行われています。

ほとんど全盲のS11クラス、

視覚の障がい程度が強いS12クラス

ぼやけて見えるくらいのS13クラス

だいたいそのような分け方です。

詳しくは、ここをご覧ください。

※Sは自由形・背泳ぎ・バタフライ

SBが平泳ぎ、SMが個人メドレーを

示しています※

※視覚障がいでは視力と視野の両方を評価して判定されています※

番組の中でも特に、

S11クラスの選手がまっすぐ泳げていない欠点をどう直すかの場面が

とても印象的でした。

コースの真ん中に一本のロープを張って、それをつかみながら自由形を

泳ぐ練習が、まさに身体性を感じさせる場面でした。

腕(肘)をまっすぐ伸ばし一定の場所に手を持っていかないと、真ん中

のロープをつかめません。

真ん中のロープをつかむ動きを繰り返しているうちに徐々に、

腕の掻き方が一定で大きく前に伸び、しかもしっかりとコースの真ん中

を泳ぐことができるようになっていました。

視覚情報を使えないということは想像以上にまっすぐ泳ぐことを難しく

しています。

視覚障がいを持たないいわゆる健常スイマーが、真っ黒な何も見えない

ゴーグル(実際S11クラスではそのゴーグルを使用します)をして

泳いでみると、

皆が皆まっすぐコース内を泳ぐことができていませんでした。

それくらい重要な情報源の替わりに使うのが身体性。

身体で微妙な水の抵抗の違いなどを感じ取る能力です。

このロープを使った練習も、上肢の動かし方の練習としてとても有効な

方法だなぁと思いました。

最初はロープをつかむという目的動作をやらせて、そのうちにロープ

なしでもその動きを再現できるようになる、身体性と運動学習そのもの

を感じる練習です。

この選手は肘が伸び切らず手が中心から外れたところで水を掻いてしま

うことでまっすぐ泳げていなかったのですが、その修正練習として

とても効果がある方法でした。

選手自身もすぐにそれを会得する能力があって、コーチ自身びっくり

していました。

これぞ身体性の具体的な例、を観ることができたなぁと・・・

奇跡のレッスンは、やっぱり面白くていい番組だと思います。

みなさんも目をつむって片足立ちで立ってみると、いかに普段我々が

視覚に頼っているかが実感できると思います。

足裏の感覚だけでバランスを保つ練習にはなりますが、くれぐれも転ば

ぬように気をつけて、何かにつかまれる状況で行なってみてください。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

閲覧数:5回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page